NEW ALBUM 「LEVEL32」 2006.11.1 RELEASE
1.トランスフォーマー
2.Scar
3.Warp
4.Walk In The Park
5.Vine
6.ホログラム
7.ベル
8.僕らの一歩
9.ハンマー
10.33
11.アンブレラ
12.ブレーカー
オッス!和田です。もう少しでいよいよニューアルバム”LEVEL 32”が発売です。俺からみんなへ、全曲解説を書いてみたんで、ちょっと読んでみて。どんな曲になってるか、あれこれ想像してみてください。発売まで何にも知りたくねぇーって人は読まなくていいから(笑)。
「トランスフォーマー」
俺自身、常に前を向いて歩いているかと言ったら、そんなことはない。人を羨ましく思う自分や、過去にタイムスリップする自分がいる。そんな自分にケリをつける歌。実際、過去の地図に未来はないし。周りを変えるには、まずは自分から。なかなかいい事が言えたと思ってる。間奏の変わったフレーズはMDでデモを録ってる時に思いついた。思い切ってイントロにも持って来てみたら、すごく印象的なイントロになった。このアルバムにはそんな印象的なイントロがいっぱい入ってる。新たに俺達を代表する一曲になったらいいなぁ。アルバム用にニュー・ミックスを収録してます。
「Scar」
気に入ってる年期の入ったテーブルの傷を見て、傷ついていいのは心も同じだと歌う歌。それが味となっていけばいい。もっと優しくなれるはずだし。今回のアルバムはクールな質感を心がけた。とにかくシンプルにする事にこだわって、一風変わったアレンジも恐れずトライした。俺にはこういった作業がすごく楽しくて、この曲の間奏から大サビの部分にそれが顕著に出てると思う。言ってみればスカスカなアレンジなんだけど、新しいトライセラトップスになってる。
「Warp」
状況は様々だとしても、誰もが次の世界へワープしたいと思ってるはず。最初はもっと抽象的なストーリーだったんだけど、このアルバムの世界は具体的にしようと決めた。それで「お店で服を見てたら、別れたガールフレンドが他の男と一緒に入ってきちゃう」っていう嫌な設定を思いついた。(笑)ここからいかに次の世界へワープするのか。10年前には書けなかった世界が繰り広げられてます。ここでは俺達の好きなファンキーなリフが徹底的に支配してる。プラス、R&B入ったメロを合体させた、すごく俺達らしい曲だと思う。これもニュー・ミックスで収録!
「Walk In The Park」
この曲になるまで、自分の中でかなり形を変えてここまで来た。最初イメージしてたものと随分変わったけど、最高にお気に入りの一曲。今までの俺達にないタイプの曲だし、「Warp」に引き続きR&Bに影響を受けてる。このきれいなメロディーを支えてるリズムはたった2つのコードの繰り返し。このメロディーはピースフルな感じがしたから、当初は幸せな歌だった。でもこのメロディーだからこそ、悲しいストーリーの方が絶対いいと思って、書き直した。すごくいい別れの歌になったと思う。このストリングスの音はメロトロン。レッド・ツェッペリンの"The Rain Song"のあの音のイメージがあったから。
「Vine」
キッチンの芽を出す若葉のくだりは本当の話。愛し抜いてこそ知れる喜びが絶対にある。だからこれは最近のテーマになった。こういう曲こそ俺達らしいと思う。これもとことんクールな質感を目指した。普段ならシンバルを連打するはずの部分もあえてハイハットを刻み続けるシンプルなドラムを佳史が叩いてる。そうする事で、あえてロックの熱さから距離を置いてみた。楽曲そのものを際立たせたかったから。
「ホログラム」
これもとても好きな曲。幸せは意外と身近な所にあるんだっていうメッセージ・ソングなんだけど、ちょっとビートルズのラバーソウルのサウンドがイメージとしてあった。だからサビの部分のベースラインも林にポールっぽく動いてもらった。これがすごい良かった。
「ベル」
アコースティック・ギターの曲が一つくらい欲しかったんだけど、これはずっとMDレコーダーにあっためておいた曲。詞も気に入ってる。「ベル」は駅の発車のベルのこと。隠し味のバス・ドラムとベースが効いてる。
「僕らの一歩」
今回のアルバムは特に詞を作る時、誰がいつ、どこで、誰に歌ってるのかを明確にするところから始めた。だからどの曲でも大体曲の長さ分の時間で起こった出来事になってる。この曲は、その日のデートの後、彼女を駅に送ってから主人公が一人で家に帰るまでの話。一人で生きる自由さと、二人で生きる不自由さがテーマ。でも二人でいると不自由さの代わりに、一人では味わえない喜びを味わうこともできる。俺達はこれを選ぶ事ができる。「僕らの一歩」はすごく自信作だ。とてもいい曲ができたと思ってる。メロディーの展開も俺らしさを炸裂できたし、そこは自慢したいところだ。
「ハンマー」
今回もっとも最初に出来上がった曲。まずこのテーマを思いついた時、新しい世界が広がった。「僕らはハンマー」。本当にツアーとかやってると、そう感じる。体も喉も疲れてガタガタ。でも確実にみんなの心に何かを残すことができた。ハンマーで家を建てるのと一緒だ。いずれボロボロになっても、その代わりに家が建つ。ちょっとした俺達版 "We Will Rock You"みたいな感じ(笑)。あんな感じでライブで盛り上がればいいなぁ。
「33」
33という数字は昔の人ならレコードの回転数を思い浮かべるかも。でも俺達の33はジーンズのインチのこと。俺らしい歌詞になったと思う。この曲の主人公はちょっと太めのジーンズを履いて街を歩いてる。でもこのジーンズは別れた彼女と一緒に買いに行ったもの。彼女の事は早く忘れたい。だから今日は気持ちも新たに、新しいジーンズを買いに来た。太いジーンズは何歩かに一回裾を引きずる。その度ちらつくあの子の顔・・・って感じでストーリーを考えていった。
最終的に彼女を受け入れられるようになるまでの話。ファンキーなリフとメロディアスなサビがうまく合体した。ライブでやってて楽しい曲。
「アンブレラ」
アルバム中、一番最後に作った曲。今回ほとんどの歌のストーリーの時間軸がはっきりしてる中で、この曲のいきなり夢に入り込むって設定が難しかった。でも雨宿りしてる最中に起こった事だから、まぁ時間軸は結局はっきりしてる。アルバムの最後でまた「トランスフォーマー」的テーマが来たのは偶然だけど、良かったと思う。やっぱり人は前に進まなきゃいけないわけだし。
この曲はちょっとセンチメンタルだけど、すごく変わってて好きだ。今までにないタイプ。ちょっと変なアレンジにしてクールにした。普通にロックをやるのは俺個人的に今はあまり興味がない。新しい音楽を生み出したいなぁ。
「ブレーカー」
彼女とお茶してて口論になり、ブチ切れる寸前の男の歌(笑)女の子の捲し立てる自分への文句を電圧に例えて、心をブレーカーに見立てた。でも切れてないよ。最後にこのロックンロールを持ってくることで、ライブのアンコールで一発かましてる感じになった。こういう曲はアレンジ次第では、ただの古き良きブルースロックになっちゃうから危険だ。もちろんそういうのも好きだけど、俺達はとことんクールな質感にこだわった。言ってみればアンティークのテーブルの上で最新のMacを操作するみたいな。そういうのが好きだ。
俺達のニューアルバム "LEVEL 32" を是非楽しみにしててね。みんなにとってお気に入りの一枚になることを願って。
和田 唱