先日、映画「オペラ座の怪人」を観てきた。
何を隠そう、俺は元々相当な”怪人”マニアなんだ。
小学校の時、まぁ男子ならそういう奴いたと思うけど、俺はかなりホラー好きなガキで、ホラー映画大百科をいつも見てた。
1930年代前半に製作された”魔人ドラキュラ”や”フランケンシュタイン”は特に有名で、ホラーの古典として親しまれてるけど、その中でもひと際異彩を放っていたのが、1925年製作のサイレント映画 ”オペラの怪人”だった。
(1988年にアンドリュー・ロイド・ウェバー作曲のミュージカルを劇団四季が日本で上演した際、”座”が付いて、そっちが一般的になった。当時すごい違和感を覚えた。)
サイレント時代特有の写真と相まって、かなり不気味かつ神秘的な印象を受けたな。
ところが当時はビデオレンタルが普及し始めたばかりで、当然、古い「オペラの怪人」なんてビデオ化すらしてなかった。このビデオ化された映像を見るまで何年かかかったけど、このストーリーが持つミステリアスさにすっかり魅了されてしまった。
この"The Phantom Of The Opera"は以降何度も映画化されていて、どれも見たけど、第一作のインパクトには遠く及ばない。でもそんななか、"Cats"で作曲を担当したアンドリュー・ロイド・ウェバーの作曲で"ファントム"がミュージカルになると知って、すごいワクワクしたのを覚えてる。
日本では、プロードウェイでやってる人気ミュージカルのほとんどがそうであるように、劇団四季が日本語訳でロング・ラン上演する。日本での初演は1988年で、怪人役はあの市村正親さんだった。
映画好きのうちの親父と観に行って、映画とは随分内容が違うねぇとか、あれこれ談議したのが懐かしいなぁ。
何はともあれ、俺は舞台の上で歌われる楽曲に夢中になった。どの曲も本当に素晴らしいんだ。甘美でこれ以上ないほど切ない。
ギターがある程度弾けるようになると、大抵ギターキッズは好きなバンドのギターフレーズをコピーするんだろうけど、俺はこの”怪人”の曲達のコードを捜し当てて弾きまくった(笑)
例によって舞台”ファントム”は大人気になって、オリジナルのロンドンはもちろん、ブロードウェイでも日本でもずっとやってるよね。
大人になってから向こうにも観に行ったよ!さて、今回の映画「オペラ座の怪人」はその、ロイド・ウェバー・バージョンの初映画化というわけ。
映画化というだけあって、舞台では描ききれない所まで描けてて、すごい凝ってるし、よく出来てた。俳優さん達の歌も、とっても良かった。
舞台では未だに'86年の初演以来なぜか変えないテーマ曲のシンセのショボい音も新録によって改善されてるし。
ただね、一つだけ気に入らない点があるんだよ。それはね、怪人の容姿!何が違うって、若くてかっこいいんだよ!
もちろん顔半分は見れない姿ってことで仮面を付けてるんだけど、見えてる左半分がいい男すぎる!挙げ句の果て、仮面を剥がされた素顔でさえ目を背けたくなるくらい醜い顔ではなかった。しかも、せいぜい行ってて30代半ばだと思う。声が良かっただけに惜しいね。映画だし、怪人もヒーローにしたかったのは分かるんだ
。でもファントムっていうのは、天使のような声と、ほんとに醜い容姿のギャップがいいんだと思う。あと俺的には40代は行ってて欲しいね。
そんなわけで、俺の理想の怪人だったら、もっと感情移入できて、涙も出たと思うんだな。
みんなはどうだろう?何年も前から思ってる事があってね、俺さぁ、怪人役やりたいんだよね。
もちろん40代になってからがいいんだけど(笑)
日本でロイド・ウェバー版やるには、劇団四季の団員さんじゃなきゃダメなの?きっとそうだよね。
そうなると難しいか・・・時代が変わってどうにかならないかな(笑)
きっと俺、いい怪人が出来ると思うんだよなぁ。